板尾創路の脱獄王
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板尾創路の脱獄王
吉本芸人・板尾創路が自らを主演に置いて初監督した作品。
しかし、板尾を見ていていつも思うのですが、この人は芸風もさることながら、出で立ちからしてほんとにシュールな雰囲気を放っていますよね。
何もしていなくてもそこに立っているだけで笑いがこみあげるような。
今のところシュールで奇怪な役をやらせたらこの人の右に出る者はいないと思っています。
無銭飲食で捕まった鈴木雅之（板尾創路）は監獄に収監されるも、しばらく後に脱獄。
しかし再び捕まり、別の監獄へと送られる。
だが、この監獄でもワザを駆使し、脱獄に成功する鈴木であったが、数日しないうちにまた捕まる。
看守長の金村（國村隼）は脱獄と逮捕を繰り返す鈴木に妙な違和感を感じ、この行動の裏には何か作為があるのではないかと疑い始める。
この作品はラストの締め方に全てが集約されるといっていいかもしれません。
非常に奇想天外な終わり方で、他の作品では決してこのラストを真似ることはできません。
つまり板尾が主演を張り、また監督しているからこそ納得できるような落ちなのです。
そもそも題名に脱獄王と銘打っておきながら、その手法は実にご都合的でリアリティは皆無です。
その現実ではありえない脱獄法にやや引いて見てしまうことは必至。
まずここを受け入れられないと、中盤あたりで脱落してしまうかもしれません。
また、繰り返される脱獄と逮捕の繰り返しはやや単調さを感じさせ、中だるみ感は半端ではなく、板尾という役者さんを単なる芸人から監督業もこなす人という単純な見方でしか捉えきれていなければ、確実に面白さは感じられないでしょう。
要するにこの作品は板尾のキャラを知っている人がラストの洒落にならないような終わり方を口をあんぐり開けて楽しむ映画であって、それ以上でも以下でもありません。
まさに板尾監督の色が映画に100％反映された、世界で１つしか作れないシュールで珍味な作品であるだろうと思います。
板尾ファンの方は必見です！
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