冷たい熱帯魚
冷たい熱帯魚
エログロで言えば、近年まれにみる際どさ。
個人的にはグロの極致ここに極まったと思えたイーライ・ロスの「ホステル」を超えたのではないかとすら思っています。
社本(吹越満)はさえない小さな熱帯魚店。前妻との間に生まれた娘と新たに迎えた新妻との折り合いは悪く、家族関係はうまいくいかない。
そんなある日、近くのスーパーで娘が万引きしたとの報が入り、社本は妻ともども謝罪に向かう。警察に突き出すと言って聞かないスーパーの店長に平身低頭の社本。
そんな彼の前に巧みな話術で店長を懐柔し、社本一家の窮地を救った村田(でんでん)との出会いが社本の人生を奈落の底に就きおとす契機となる。
エログロは一級品です。
パワーに満ち溢れ、ともすれば人の心に一抹のトラウマを抱かせないほどに衝撃的なシーンが連続する。
暴力、セックス当たり前、殺人、人体解剖、血みどろの格闘、そのどれもが圧倒的な迫力で繰り広げられます。
不快に感じる方も当然出てくるでしょう。
実際に映画館で途中、席を立って二度と戻ってこなかった人もいたくらいですから。
しかし、僕はそれほど不快には思わなかったし、吐き気をもよおすこともなかった。
それは監督が人間の存在に対し、真摯に向き合い描ききろうとする意志を強くひしひしと感じたから。
人間の本質を理性の皮をかぶった鬼畜であるという監督の声すら聞こえてきそうなショッキング映像の連続には、そこにエログロ以上の至高の何かを嗅ぎとれます。
社本がある出来事をきっかけにふっきれる後半のあの展開は、まさにむきだしの本能がそのまま描かれているようで、画面に釘付けになってしまいました。
後は、でんでんの語りが面白い。リズムにのってジェスチャーも交えながら語る彼の話法はまさに詐欺師のそれか。
人を酔わせ、知らず知らずのうちに自己の支配下に置く流麗な言葉の流れに思わず見ている僕もうっとりとしてしまいました。
エロやグロが苦手な方はかなり厳しい作品となります。
しかし、好きな方は他のどの作品にも増して、その圧倒的な歪んだ世界観を楽しめるのではないかと思います。
ちなみにこの映画は、実話をベースにしているらしいです。
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