エクスペリメント

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エクスペリメント [DVD]
エクスペリメント


2001年に公開されたドイツ映画「es」をリメイクしたハリウッド作品です。
おおまかな流れは変わりませんが、「es」では恋人との関係性が物語に密接な関わりがあったのと比べ、リメイク作品では恋人との絡みはあるものの、物語的にはあまり必要のない配置。
その分、より役割期待による人間性の変化に重きが置かれている作品となっています。
ちなみに実話をベースにしています。

職を失ったトラヴィス(エイドリアン・ブロディ)は高額な給料に魅かれて大学で行われる実験に参加。
その実験というのは数日間、参加者に刑務所内で囚人と刑務官の役割を担わせ、その過程でどのような心理的変化が生じるかをみるもの。
実験が始まって数日たち、同じ参加者のバリス(フォレスト・ウィテカー)に妙な変化が現れはじめる。

日常生活において程度の差こそあれ、人はみな役割を担って行動しています。
社内での役職、部下から見た上司、子どもから見た父親、妻からみた夫、などなど、その役割によって微妙に行動形態が異なってくるもの。

人は自分の好きなように行動しているように見えて、実は課された役割に影響され、それに応じた非常に限定された行動をとっているに過ぎません。
この作品では、その行動の変化をリアルに描いています。

40近くにもなって無職、親と同居しているという冴えない人生をバリスは温厚な性格で、良い人格の持ち主であるという役割を創作し、演じることによって現実から逃げていた。

しかし、囚人を支配する刑務官の役割を与えられたことで、彼の内に秘めた暴力性が目を覚まし、本当の彼が顔を出します。
彼は非常に差別的、独断的、暴力的な性格の持ち主だった。

人あたりの良かったバリスの180度異なるともいえる劇的な変化。
その変化にトラヴィスも戸惑いを隠しきれず、これは実験である旨を再三述べるも、人を支配できる欲におぼれたバリスは聞く耳を持たず、どんどん役割と本物のリスキーな自分にはまり込んでいく過程は、フォレスト・ウィテカーの好演もあいまって実に恐ろしい。

人の狂喜を演じさせるとフォレスト・ウィテカーの右に出る者は、いないですね。
「ラストキング・オブ・スコットランド」でも、ウガンダの独裁者で大量殺戮を繰り返したアミン大統領を演じ、サイケデリックな役柄を演じたのは記憶に新しいところ。

人がいかに移ろいやすい存在であるか、外から刺激に容易に内は変化するのだということをこの作品を見て感じてみてはいかがでしょう。

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