ラスト・エクソシズム

ラスト・エクソシズム

ラスト・エクソシズム スペシャル・エディション [DVD]
ラスト・エクソシズム


もはや使い古された感すら漂い始めている手持ちカメラによるモキュメンタリー作品。
映し出される映像には、どこかで見たようなものが目立ち始め、よほどの吸引力が無い限り、商業映画としては、成り立たなくなってきているのではないでしょうか。
当作品も製作にホステルのイーライ・ロスの名がなければ、恐らく見に行かなかったであろう作品です。

物語としては、エクソシストである主人公が、実は悪魔が憑依するだとか、悪魔と闘っているだとか全て嘘っぱちで、いかにエクソシトという職業がインチキにまみれたものであるかという点を、自分でカメラを回し、映画化することで白日のもとにさらけだそうと画策する。

しかしながら、その過程でほんとの悪魔に出会ってしまい、とんでもない事態に巻き込まれてしまう。

主人公が悪魔祓いに向かった少女の憑りつかれたような演技が素晴らしいですね。
顔面は蒼白で、目には冷たい狂気が宿る。
扉を閉める瞬間、手持ちのカメラへ向ける鋭い視線はまさに悪魔的な魅惑。

声色、表現なども、日頃の少女のものではなく、明らかに何か異常な事態が生じているというのに、それでもこれは少女のやらせ、嘘っぱちであると信じる主人公の懐疑がある意味痛い。

最後はしかし、本当のデーモンに出会えて、わずかに信仰を取り戻したかのようなショットで自己完結型の救いが垣間見られる。
だが、時すでに遅しでしょう。

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