キャタピラー
キャタピラー
江戸川乱歩の短編小説「芋虫」をモチーフにして作られた作品。
この作品で、寺島しのぶが2010年「ベルリン国際映画祭」のコンペティション部門で最優秀女優賞を受賞したことも記憶に新しいですね。
1940年、太平洋戦争の最中、戦地に赴いた黒川久蔵は、その4年後に四肢を失った状態で村へ帰還した。
耳も聞こえず、顔もやけどをしている久蔵を村のみなは軍神様と讃える。
全ての世話を妻・シゲ子に押し付け、あふれる性欲をシゲ子に向ける。
当初は献身的に支えていたシゲ子であったが、次第に夫へ憎悪の念を向けるようになる。
村の衆からは軍神と褒め称えられる一方、外から見えない家の中では食欲・性欲に支配され、獣のようにふるまう久蔵。
実に残念な男だ。
軍神と呼ばれ、そのようにふるまう久蔵と家の中での彼とで、そのギャップに落差がありすぎる。
軍神でなければいけないという理想を追い求める姿が、実像と乖離、その落差が彼の自我を歪め、むしばんでいく。
それがゆえに、より一層下劣な欲は刺激され、その刃は全てシゲ子へと向かうのである。
主張は、四肢を失った男の下劣で悲惨な生活を見せることで戦争の愚かさを表現している点。
家の中でうずまくシゲ子と久蔵の解放されない鬱屈とした心の淀みは暗く沈んでいて、戦争は心と体双方において破壊的な結果をもたらすものなのだと感じた。
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