一命
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一命
三池崇史監督による時代劇作品。
カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映されたものの、惜しくも入賞ならず。
その模様は多くのメディアにも取り上げられ、一時期話題にもなりました。
役者は監督さんのキャリアに惚れ込んでか、異様に豪華。
市川海老蔵、瑛多、満島ひかり、役所広司を筆頭に、その他脇役陣でも竹中直人、笹野高史、新井浩文などがその名を連ねています。
この作品は、前半と後半に一触即発なギリギリの雰囲気を漂わした物語を置き、それに挟まれる形で、中盤の緩やかな回想物語がある。
瑛多がなぜ、脇差に竹光をさしていたのか。
なぜ、海老蔵があれほどまでに神妙な面持ちになっていたのか。
なぜ、切腹の際に瑛多を介錯した武士3人が行方不明なのか、など、前半で提示される謎が中盤の回想シーンで次々に明らかになっていきます。
最初でこそ、前半と中盤のそのあまりの雰囲気の差異に戸惑いはしましたが、描かれるヒューマンドラマがかなり熱く、また残酷なので、一気に謎に包まれた前半部の物語に重みと熱が加えられていきます。
また、海老蔵サイドのあまたの事情を知ったからこそ、後半部のチャンバラにも単なる薄っぺらいアクションではない、心と心のぶつかりあいが感じられるのです。
全体的には良く出来た作品。
しかし若干、動機の点で疑問符がつかないことはなかったかなぁ。
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