落下の王国
落下の王国
その魅惑の映像美で観る者を虜にした「ザ・セル」の監督ターセムシンの二作目。
独特で幻想的な色使いに13の世界遺産が重なって撮影された景観はまさに圧倒的な魅力が詰まっています。
提供者に巨匠デビッド・フィンチャーとスパイク・ジョーンズの名がクレジットされていることから、この映画の質がいかほどのものかということを表しているといえるでしょう。
スタントマンをしていたロイ(リー・ペイス)は撮影中の怪我で半身不随の致命的な損傷を負う。
人生に絶望を感じた彼は、同時期に入院中の少女アレクサンドリア(カティンカ・アンタルー)に自殺用の薬を盗んでくるよう指示する。
しかし、なかなかうまく事が運ばない流れにしびれをきらし、ロイは彼女に言うことを聞かせるため物語を創作し、彼女の心をつかもうとするのだが。
語るということがどういうことなのかを考えさせられる映画でした。
語ることと心の状態は密接に関連しています。
古くは精神医学の権威フロイトが自由連想法という治療法にて語ることの治療的側面を重要視していました。
つまり心に病を持った患者に自由に物事を語らせてあげることで徐々に心に抑圧されたトラウマを解放させていく効果があるということ。
この映画でもその流れが根本に横たわっていますね。
当初は自殺用の薬をアレクサンドリアに盗ませるために語られていた物語が、話が進むに従い、半身不随の身ゆえの絶望からロイが立ち直るための契機となる物語へと転化するのです。
自嘲気味に創作していたお話が、最後は涙を流しながらアレクサンドリアに聞かせるロイにとっての癒しと昇華のお話になった。
彼の心が語るという行為によって一歩一歩絶望から知らず知らずのうちに這い上がっていったのです。
ロイが語る創作物語への登場人物たちが、ロイの周辺にいる人たちで構成されているのもニヤリとさせてくれます。
特に一分の人物は現実の世界でロイと深い仲にあるわけではないのですが、入院後目に止まった人が彼の心に知らず知らずのうち残っていて、それが語ることを通して潜在化から飛び出してきたのでしょう
その意味からしても物語るというのは、まさに語る当人の心の状態を表現することだと言っても過言ではありませんね。
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