リミット
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リミット
谷底に落ち、同時に堕ちてきた岩に腕を挟まれて抜け出せなくなった男の話は、「127時間」という作品でした。
非常に限定された空間の中で、よくもまあ90分近くお話を持たせたものだと感心したものですが、当作品はさらにその上をいくかなり閉鎖された空間での出来事になっています。
イラクでトラックの運転手をしているポール・コンロイ（ライアン・レイノルズ）。
ある日、目覚めると体をようやく動かせるぐらいの閉塞的な状況下に置かれていた。
コンロイは手持ちの携帯を利用して、置かれている状況を把握しようと努めてるが・・・。
90分間、土の中に埋まっている棺桶の中だけでお話が進んでいきます。
お話の吸引としては、誰が何のためにコンロイをそこの閉じ込めたのかという点、そしてこの限定的な状況の中で、コンロイがどのような立ち振る舞いを見せるか、という２点にあるでしょう。
とにかく空間が閉塞的ならば、道具として使えるものもかなり限られている。
何といっても、持っているもので、目ぼしいものと言えば携帯電話くらししかないのです。
コンロイは、この携帯を利用して親類や会社にコンタクトを取ろうとしますが、電波が急に飛んだりなかなか上手くいきません。
また、コンロイの焦りとは裏腹に、電話越しの相手の能天気さには笑えますね。
ラストは、かなり後味の悪い終わり方。
ある意味、衝撃的な展開です。
壮絶な状況下にあって、徐々に薄れゆくコンロイの意識と、電話越しに聞こえるある意味ボケた声とのギャップが上映終了後、しばらくしても僕の脳裏から消え去ることはありませんでした。
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