バーレスク

バーレスク

バーレスク [DVD]
バーレスク


歌手を夢見て、田舎の町からロサンゼルスへやってきたアリ(クリスティーナ・アギレラ)。
ひょんなことからバーレスククラブで働くことになり、徐々に才能を開花させていく。

単純なサクセスストーリーです。
ロスへやってきてた彼女に、勝利の女神はとんとん拍子に成功の善き目を彼女に与えていく。
立ちはだかる壁を何の苦もなくひょいとまたぎ、順風満帆に栄光へのステップを駆け上がっていく姿に人生のリアルは感じられない。

確かに僕はそう思っていた。
しかし、始まって45分程度が立った時に訪れた感覚。
彼女の歌声を聞いてから止まらない鳥肌。
心の奥底からふつふつとわきあがる興奮が抑えられない。

クリスティーナ・アギレラである。
いや、もっと言うなら彼女のその圧倒的なまでの歌唱力だ。
初めて舞台上で彼女のアカペラを聞いた瞬間から僕の体の琴線が激しく揺れた。
衝撃でもない。
恍惚でもない。
高揚でもない。
多分にそれらがミックスされ、昇華されて産み出された経験したことのない匿名の感覚か。

スクリーンを通して彼女の声が体が動きがぐいぐいと迫り、魅惑し、この名もなき感覚を刺激する。
彼女の歌声を聞いた数分後、ガラガラの劇場中央の席に移動した。

先にも述べたけど、この作品は決してストーリーを楽しむようなものではない。
彼女が舞台の上に立って激しく踊り、人の琴線を揺さぶる爆発的な歌唱力を披露する点に見るべきポイントがある。

その他は、彼女を盛り立てる飾り、道具でしかない。
僕は彼女についてこう思う。
紛れもないスターであり、恐ろしいほどの才能の持ち主であると。

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ヒューマンな映画の批評